人気ブログランキング | 話題のタグを見る

原点

1月に長谷の神社でお参りしたときのこと。
お賽銭箱の横に何か張ってあって、見てみると今年の干支「ねずみ年」のこと
が書いてあった。


「ねずみ年
 ねずみ年はすべての干支が一周し、一番初めの干支へと戻る年です。
 全てのことが原点に戻り還る年といういわれがあります」


「原点」という言葉を聞いて、すぐに思い出した光景があった。

16歳の夏。場所は高校の生徒会室。(←聞こえはいいけれど、私が行っていた高校では
授業をサボるために使われていた部屋でした。)
暑い部屋で友だちとあれこれしゃべっていたら、どういう話の流れからか将来のことの話題になった。

友人A「おまえは将来なにになりたいの?」

そのころ私は将来のことはぼんやりとしていて自分が何になりたいか全然わからなかった。

私「うーん、とくにないんだよねー」

友人A「ないってことはないだろ」

私「うーん、でもわからないんだよねー」

友人A「じゃあさ、無理かもしれないけどこうなれたらいいな、と思うものをかたっぱしから言ってみな」

友人に言われて、思いつくままとりあえず片っ端から言ってみた。
「服を作りたい、美容師、メイクもやってみたいなー、舞台衣装も楽しそうだよねー、
スタイリストもいいよねー、」
なんて、本当に思いつくまま。

それを聞いていた、その場にいたもう一人の友人Bが私にこう言ってくれた。


友人B「あぁ、わかった。おまえは人をキレイにする仕事がしたいんだね」


その瞬間、ぼんやりと曇っていた私の心に、灯りが灯った気がした。
初めて、自分が何をしたいか分かった瞬間だった。


そのときの教室の蒸し暑さ、
窓から見える青い夏空、
風にのって遠くからただよってくる海の香り、
友だちの顔、表情、
「暑いからもうこのままサボってアイス食べに行こうよー」って誘いに来た
友だちの軽やかな声、
10年たった今も鮮やかに思い出すことができる。


あの瞬間が私の「原点」なんだと思う。


遠回りをして回り道をしたけれど、あのとき感じた「自分がやりたいこと」
と重なる仕事が今できるようになって、本当に幸せだなと思う。


初心忘れるべからず。
何かに迷ったり、わからなくなったら何度も、何度もあの「原点」に戻ろう。

原点_f0123934_175189.jpg

by ruccar | 2008-02-27 17:11 | アクセサリー


<< 無骨な初作品 仕事始め >>